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慢性閉塞性動脈硬化症について

出典:閉塞性動脈硬化症 - Wikipediaより

慢性閉塞性動脈硬化症とは

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう、ASO: arteriosclerosis obliterans)は、主に下肢の、主に大血管が慢性に閉塞することによって、軽い場合には冷感、重症の場合には下肢の壊死にまで至ることがある病気である。

一般的な症状

病気の進行に従って、様々な症状を呈する。Fontaine分類(フォンテイン分類)は、病期と症状を結びつけたものとして広く用いられている。

Fontaine 1度(もっとも軽症)
下肢の冷感や色調の変化
Fontaine 2度
間歇性跛行(かんけつせいはこう) - 数十から数百m歩くと痛みのため歩行継続不可能になる症状。なお、腰部脊柱管狭窄症でもみられるため鑑別が必要。
Fontaine 3度
安静時疼痛
Fontaine 4度(もっとも重症)
下肢の皮膚潰瘍。糖尿病などによる末梢神経障害がない限り、患者は激痛を訴える。
Fontaine 5度
下肢の壊死。下肢の温存は不可能であり、切断の適応となる。

その他の症状として、陰萎がある。

原因

  • 喫煙
  • 高脂血症
  • 性別(男性であること)
  • 高血圧
  • 糖尿病等との合併
などがリスクファクターであり、生活習慣病のひとつと考えられている。

治療法

病期の進行に応じて、軽症では内服による治療が第一選択として考慮される。抗血小板剤、魚油やプロスタサイクリンがある。プロスタグランジンE1製剤や抗トロンビン剤の点滴が次に試みられる。Fontaine 2度以上では、外科的手術による血管バイパスや、バルーン拡張やステント留置による血管内治療が考慮される。下肢の壊死が重症である場合は、下肢の切断となることもあるが、合併症がない例でここまで至ることは稀である。

内服処方例
バイアスピリン® 1錠 1x朝食後
プレタール®100mg 2錠 2x朝夕食後
エパデール®S900 2包 2x朝夕食後
ドルナー®20μg 6錠 3x毎食後
注射処方例
プロスタンディン®20μg 2~3A + 生食500mL div
リプル®10μg 1A iv
生活指導も重要であり、特に、禁煙の必要性が非常に高い。

実験的治療:血管新生を促進するために、造血幹細胞移植が試みられている。骨髄細胞、末梢幹細胞 (PBSCT, peripheral blood stem cell transplantaion) を患部に数十カ所にわけ注入する。CD34陽性細胞を特に純化させている施設もある。また血管新生を促すホルモンを産生させる遺伝子(HGF, VEGF)を筋肉注射して血管の誘導をはかる治験も行われている。
骨髄細胞移植、末梢血幹細胞移植、末梢血単核球移植については、厚生労働省が規定する先進医療として認められており、一部医療機関で保険診療との併用が認められている。

関連用語

疼痛 手術

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